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福祉の豆知識: 第3章 新しい障害者自立支援法

1.障害者自立支援法の成立

「障害者自立支援法」が2005(平成17)年に成立し、2006(平成18)年4月から実施されています。これまで、身体・知的・精神の障害ごとに異なっていたこれまでの福祉サービスを一元化し、利用者に原則1割の負担を求めることなどを柱とする法律です。ただ、民主党政権は、2009(平成21)年10月、障害者自立支援法を廃止し、新法「(仮称)障害者総合福祉法」の制度化を明言しました。遅くとも2013(平成25)年8月までに「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、利用者の応能負担を基本とする総合的な制度をつくることとされています。

2.障害者自立支援法のポイント

  1. 障害の種別(身体障害・知的障害・精神障害)にかかわらず、障害のある人々が必要とするサービスを利用できるよう、サービスを利用するための仕組みを一元化し、施設・事業を再編
  2. 障害のある人々に、身近な市町村が責任をもって一元的にサービスを提供
  3. サービスを利用する人々もサービスの利用量と所得に応じた負担を行うとともに、国と地方自治体が責任をもって費用負担を行うことをルール化して財源を確保し、必要なサービスを計画的に充実
  4. 就労支援を抜本的に強化
  5. 支給決定の仕組みを透明化、明確化

3.障害者自立支援法によるサービス内容

障害者自立支援法によるサービスは、個々の障害のある人々の障害程度や社会活動や介護者・居住等の状況をふまえ、個別に支給決定が行われる「自立支援給付」(「障害福祉サービス」)と、市町村の創意工夫により、利用者の方々の状況に応じて柔軟に実施できる「地域生活支援事業」に大別されます。

1)「自立支援給付」(「障害福祉サービス」とも呼ばれます)

  事業名 内容
介護給付 居宅介護
(ホームヘルプ)
自宅で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います
重度訪問介護 重度の肢体不自由者で常に介護を必要とする人に、自宅で、入浴、排せつ、食事の介護、外出時における移動支援などを総合的に行います
行動援護 自己判断能力が制限されている人が行動するときに、危険を回避するために必要な支援、外出支援を行います
重度障害者等包括支援 介護の必要性がとても高い人に、居宅介護等複数のサービスを包括的に行います
児童デイサービス 障害児に、日常生活における基本的な動作の指導、集団生活への適応訓練等を行います
短期入所
(ショートステイ)
自宅で介護する人が病気の場合などに、短期間、夜間も含め施設で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います
療養介護 医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護及び日常生活の世話を行います
生活介護 常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動又は生産活動の機会を提供します
施設入所支援
(障害者支援施設での夜間ケア等)
施設に入所する人に、夜間や休日、入浴、排せつ、食事の介護等を行います
共同生活介護
(ケアホーム)
夜間や休日、共同生活を行う住居で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います
訓練等給付 自立訓練
(機能訓練・生活訓練)
自立した日常生活又は社会生活ができるよう、一定期間、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練を行います
就労移行支援 一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います
就労継続支援
(A型=雇用型、B型)
一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います
共同生活援助
(グループホーム)
夜間や休日、共同生活を行う住居で、相談や日常生活上の援助を行います

2)「地域生活支援事業」(市町村事業と都道府県事業に分けられます)

  事業名 内容
市町村事業 相談支援事業 障害のある人、その保護者、介護者などからの相談に応じ、必要な情報提供等や権利擁護のために必要な援助を行います
また、自立支援協議会を設置し、地域の相談支援体制やネットワークの構築を行います
コミュニケーション支援事業 聴覚、言語機能、音声機能、視覚等の障害のため、意思疎通を図ることに支障がある人とその他の人の意思疎通を仲介するために、手話通訳や要約筆記、点訳等を行う者の派遣などを行います
日常生活用具給付等事業 重度障害のある人等に対し、自立生活支援用具等日常生活用具の給付又は貸与を行います
移動支援事業 屋外での移動が困難な障害のある人について、外出のための支援を行います
地域活動支援センター 障害のある人が通い、創作的活動又は生産活動の提供、社会との交流の促進等の便宜を図ります
その他の事業 市町村の判断により、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な事業を行います
例: 福祉ホーム事業、訪問入浴サービス事業、日中一時支援事業、社会参加促進事業 等
都道府県事業 専門性の高い相談支援事業 発達障害、高次脳機能障害など専門性の高い障害について、相談に応じ、必要な情報提供等を行います
広域的な支援事業 都道府県相談支援体制整備事業など市町村域を超えて広域的な支援が必要な事業を行います
その他の事業
(研修事業を含む)
都道府県の判断により、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な事業を行います
例: 福祉ホーム事業、情報支援等事業、障害者IT総合推進事業、社会参加促進事業 等
また、サービス提供者、指導者などへの研修事業等を行います

3)障害者自立支援サービスの概要図

図

医療福祉2010年度版総合ガイドブック(編集NPO法人日本医療ソーシャルワーク研究会 医学書院)引用