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黄斑円孔(おうはんえんこう)

黄斑円孔とは

写真:左)中心窩の直径0.3mmの孔  右)中心窩の全層円孔とその周りの網膜の浮腫 網膜の黄斑部に穴(円孔)が生じる病気です。
加齢によって硝子体がちぢむときに、網膜がひっぱられて黄斑部に穴(円孔)を開けてしまうものです。

症状

ものを見ると、真ん中がかすんだりゆがんだりします。円孔の進行と共にその程度は悪化して視力が低下します。ただし、ものの中心の見え方(中心視力)が低下するもので、見え方の感度は中心部より低いものの、中心外視力には影響ないため、完全な失明に至ることはまれです。

治療

薬物での治療はなく、局所麻酔で硝子体手術が必要です。
硝子体を切り取って、網膜を引っ張って円孔を作っている膜を取り除きます。そして眼球内(硝子体腔)に円孔を閉鎖するための特殊なガスや空気を詰め込みます。手術後は、円孔を圧迫する目的のためにガスが常にその部分にあたるように、術後3~7日間程度のうつ伏せや横向きの姿勢が必要となります。
このガスは1~2週間程度で自然に吸収され、硝子体腔内は房水に置き換わります。手術時間は30分程度です。

円孔の大きさが小さいうちに、また開いてからの期間が短いうちに手術を行った方が視力回復は望めます。
しかし、網膜は非常にデリケートな組織であるため、円孔が閉鎖しても視力の回復に時間がかかります。半年から1年程してから視力回復する場合もあります。初回の手術で9割以上の方に円孔が閉鎖するといわれていますが、円孔が非常に大きい時や手術後のうつ伏せが守れないと、残念ながら再手術が必要なことがあります。硝子体手術の合併症として一番多いのは白内障です。60歳以上の患者さまなら1年以内に100%近く発生します。このため多くの場合、黄斑円孔の手術と同時に白内障手術(水晶体を取り除いて眼内レンズを移植する手術)もしてしまいます。

なお、約5%の方の術後数ヶ月間に、網膜に孔が開いたり網膜剥離が起こったりします。これらは緊急に治療する必要がある病気です。網膜と強くゆ着している眼球前方の硝子体は切除できず残しているため、その硝子体が縮んで網膜を引きちぎるような力となることがあるからです。ですから硝子体手術後は、こまめに検査を受けるとともに見え方の変化に気をつけて、異常を感じたらすぐに受診してください。